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採用活動では、応募数を増やしても選考途中の離脱が多ければ、最終的な採用人数は増えません。歩留まりを工程別に分けて数えることで、どこで候補者が離脱しているのかを把握できます。
本記事では、採用歩留まりの計算方法や低下を招く原因、工程別の改善策、継続的に見るためのKPI設計を解説します。
採用の歩留まりとは、各選考工程を通過して次に進んだ人の割合を指します。
歩留まりは「次の工程に進んだ人数÷前の工程の人数×100」で算出します。たとえば、応募者100名のうち書類選考を通過して一次面接に進んだ人が30名なら、書類選考の歩留まりは30%です。
歩留まりという言葉はもともと製造業で使われ、原材料の投入量に対して得られた良品や完成品の割合を表します。採用では、選考の各段階を通過した人数の比率を示します。
応募者100名のうち入社に至ったのが2名という結果だけでは、どの工程に問題があるのか判断できません。応募、書類選考、一次面接、最終面接、内定、承諾、入社などに分けて数えることで、離脱が大きい工程を特定できます。
アルバイトや現場職では「応募→電話がつながる→面接設定→面接参加→採用」のように、自社の実際の選考フローに合わせて区分すると分析しやすくなります。
歩留まりは、工程・応募経路・職種の3軸に分けて数えると原因が特定できます。
分析の精度を高めるためには、単一の切り口ではなく複数の視点からデータを整理する必要があります。効果的な改善策を的確に導き出すための、実務に則した具体的な集計手順を解説します。
自社で実際に行っている選考フローを洗い出し、応募から入社までを集計単位となる工程に区分します。メール返信や電話確認などを細かく分けすぎると集計負担が大きくなるため、主要な工程を5〜7程度にまとめるのが目安です。分析の精度と、継続してデータを記録できる運用負担のバランスを考えましょう。
工程ごとの数値が出たら、応募経路や職種でも分けて分析します。たとえば、全体の面接設定率が40%でも、媒体Aでは60%、媒体Bでは20%というように差が生じることがあります。経路別に見れば、広告費の配分を検討する際の材料になります。複数の職種や拠点・店舗がある場合は、職種別・拠点別にも集計すると課題を把握しやすくなります。
算出した数値を評価するには、比較する基準線が必要です。外部の調査データを参考にする方法と、自社の過去実績を基準にする方法があります。外部データを利用する場合は、調査名・調査年・参照元を明記し、自社と条件が近いデータか確認しましょう。
外部調査で該当する数値が確認できない工程については、無理に平均値を設定せず、自社の過去1年間の実績を基準線として、数値の変化を追う方法が適しています。
歩留まりの低下は、選考スピード・基準のばらつき・情報提供の不足・内定後の空白から起きます。
応募者が途中で離脱してしまう背景には、企業側の対応プロセスに潜む課題が存在します。数値低下を引き起こす代表的な4つの要因を解説します。
応募から初回連絡までの時間が空くと、その間に他社の選考が先に進み、辞退につながる場合があります。また、面接と面接の間隔が長くなることも、候補者の離脱要因の一つです。こうした課題を解決するには、採用リードタイムが長くなる理由を把握したうえで、応募者への初動対応を速くする方法を取り入れると効果的です。
複数の面接官が関わる場合、評価軸がそろっていないと通過率が安定しません。専門スキルやコミュニケーション能力など、重視する項目が担当者によって異なる状態では、選考結果の比較も難しくなります。評価シートの項目を統一し、後から結果を分析できる状態にすることが重要です。評価基準の統一や情報の集計をスムーズに行うには、採用管理システムで面接評価を効率化する仕組みづくりが役立ちます。
仕事内容や働き方、給与などの条件が十分に伝わっていないと、候補者が入社後のイメージを持てず、選考辞退につながる場合があります。店舗スタッフや現場職では、勤務地やシフト、面接時の持ち物など、応募者が必要とする実務的な情報の不足も離脱要因になり得ます。
内定承諾後に企業からの連絡が途切れると、入社までの不安が大きくなり、入社直前の辞退につながる場合があります。内定承諾から入社までの期間も選考工程の一部として捉え、候補者との接点が途切れていないか確認しましょう。
改善策は「運用の見直しで直せること」と「仕組みで直すこと」に分けると着手しやすくなります。
原因が特定できたら、課題を解消するための具体的なアクションに落とし込みます。社内のルール変更で対応できるものと、ツールの導入などで自動化するものに切り分けて解説します。
この工程では、応募者への対応状況や面接設定までの離脱率を確認します。運用面では、応募から連絡、面接設定までの流れに滞りがないかを確認し、担当者間で対応方法をそろえます。
仕組みの面では、求人媒体からの応募情報の自動取り込みや応募受付時の自動返信、日程調整機能などを活用し、対応漏れを防ぎます。初回連絡の具体的な改善方法は関連記事で確認できます。
面接段階では、評価項目を統一し、面接官が同じ基準で候補者を評価できる状態を整えます。運用面では評価項目を事前に共有し、選考結果を記録します。仕組みの面では、評価入力のフォーマットを統一し、選考状況を関係者間で共有できる環境を整えると、工程ごとの数値を追いやすくなります。
内定後は、入社までの連絡頻度をあらかじめ決め、候補者の不安や疑問を確認する機会を設けます。仕組みの面では、内定者への一斉連絡機能やフォロー履歴の記録機能を活用し、対応の抜け漏れを防ぎます。
複数の工程で同時に施策を変更すると、どの施策が数値に影響したのか判断しにくくなります。まずは工程別の数値を比較し、一つ前の工程からの落差が最も大きい箇所から対策します。改善後の数値を確認してから、次の工程へ進めると効果を検証しやすくなります。
歩留まりは一度測って終わりではなく、月次で追える指標に落とすことで改善が続きます。
採用活動の最終目標であるKGIは採用人数などに置き、その達成状況を確認する指標としてKPIを設定します。採用KPIには工程別通過率、応募数、採用単価などがありますが、指標を増やしすぎると集計負担が大きくなります。まずは「工程別通過率」と「応募経路別応募数」の2系統に絞り、月次で定点観測する方法が現実的です。
複数の媒体を利用している場合、応募者情報を表計算ソフトへ手入力していると、月次集計の負担が大きくなります。採用管理システムのレポート機能を使えば、工程別・応募経路別・拠点別などの条件で通過率を可視化できる場合があります。ただし、集計機能や出力形式は製品によって異なるため、自社の要件に合う製品を選ぶことが重要です。
システム移行を検討する際は、採用管理システムとエクセル管理の違いを改めて確認し、採用管理システムで進捗管理を改善するコツを押さえておくとスムーズです。
採用目標を達成するためには、選考フローを分解し、工程別および応募経路別に歩留まりを数えて課題を特定することが重要です。数値の落差が最も大きい工程を見極め、運用ルールの見直しや仕組みの導入を1つずつ進めていくことで着実な改善が期待できます。手作業による煩雑な集計は続かないため、システムを活用して計測を自動化する体制を整えましょう。
工程別のレポート機能を備えた製品を比較したい場合は、以下の記事も合わせてご覧ください。
採用業務の効率化によって担当者の負担を減らしつつ、採用スピードやマッチングの質を高められるのが採用管理システム(ATS)です。
ここでは、採用活動のニーズに応じて活用しやすいおすすめのATS3選を紹介します。
引用元:トルー公式HP
(https://web.toroo.jp/)
多拠点・大量採用、アルバイト・中途採用
求人作成・媒体への出稿・応募者管理・面接調整を一元化
応募受付から連絡、履歴書回収、条件設定による事前選考、日程調整など、面接前まで自動で対応。
AIでのサンクスメール作成や面談内容の要約・共有もでき、現場で発生する連絡・調整工数を削減します。
主要媒体への一括掲載が可能。各配信ロジックに合わせてタイトルやキャンペーンを個別設定でき、露出の最大化を図ることで集客アップにつながります。
※すべて税込です。
面談日程調整代行・面談要約の自動作成・求人コンプラチェック・求人サイト連携・WEB面談要約作成・サンクスメール自動作成など
引用元:i‑web公式HP
(https://i-web-ats.humanage.co.jp/)
新卒採用、選考工程や対象学生が多い企業
学生管理・選考管理・内定者フォローを一元化
履歴・連絡状況・ステータスをまとめて管理できるため、対応漏れのリスクを削減。志望度や選考状況に応じたグルーピング配信で、精度の高い学生フォローを実現します。
内定者専用マイページを活用し、企業からの情報共有と内定者間の交流を促進。自己紹介やコミュニケーションを通じて入社前の不安を解消し、辞退を抑制します。
公式HPに記載がありませんでした。
応募者検索・グルーピング・採用フロー設計・グループ採用管理・応募者マイページ・応募者向けアプリ・社員訪問管理など
引用元:ハーモス採用公式HP
(https://hrmos.co/ats/)
中途採用、複数の採用経路を利用する企業
応募者管理・採用経路別分析・採用KPIの可視化
求人別・経路別や面接官別の評価レポートにより、即戦力人材の採用KPIをデータで明確に可視化。
目標と進捗をリアルタイムで把握し、歩留まり改善に活かせます。
社員紹介やイベントで出会った候補者、過去の応募者をデータベース化し、優秀人材との接点を継続的に管理。将来の採用タイミングに合わせて再アプローチできます。
公式HPに記載がありませんでした。
面接評価・タレントプール・ヘッドハンターレコメンド・選考実施数レポート・目標対実績レポート・ビズリーチ年収相場レポート
など